Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
Leggi 玉藻の前 (たまものまえ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.703 caratteri · 261 schermate
忠通が勝っても、頼長が勝っても、あるいはこの兄弟が相討ちになっても、自分の地位は容易に動かないものと彼はみずから信じていた。
こうした強い自信をもっている彼の眼から観れば、どちらの味方をして働くのも無用の努力であるように思われた。彼はなるべく事なかれ主義を取って頼長と忠通とのあいだを弥縫するか、もしそれが出来そうもないと見きわめた暁にはそっと手を引いて、両方の争いを遠く見物しているのが、最も賢い、最も安全の処世法であるように思われた。しかしこの場合、結局黙っては済まされないとみて、老獪の彼は巧みに逃げを打った。
「さりながらその禍いがすでにあらわれましたる以上は、まずそれを鎮むる工夫が先きでござりまする。その禍いを見て諸人が悔いあらたむれば天下はおのずから泰平、二度の禍いのあらわりょう筈はござりませぬ」
「それもそうじゃな」と、頼長は渋しぶうなずいた。彼も差しあたってはそれを言い破るほどの理屈をもっていないらしかった。
二人はしばらく詞が途切れた。秋草を画いた几帳が昼の風に軽くゆれて、縁さきに置いてある美しい蒔絵の虫籠できりぎりすがひと声鳴いた。
「殿。