후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면
女子文芸や女学世界には女名前で出していた。
その頃の横浜で文壇めいた雰囲気をもっていた人々は、磯萍水、高沢初風、小島烏水といった人たちで、「藻しほ草」という文芸雑誌が唯一の月刊物であったと思う。それと横浜貿易新報とか横浜毎朝新聞の文芸欄を中心に幾つかの詩社や歌会があった。俳壇では、虚子と同門の人だろうか、松浦為王という人がよく選者をしたり、小集の通知をくれたりした。貿易新報の新年号特別募集というのに応じて、ぼくの句が一等に推され、四打入の麦酒箱を貰ったときは途方にくれた。又、松浦為王氏の寿町の自宅で小集のあったとき、行ってみたこともある。しかし、席上の人はみな紳士淑女のごとき大人ばかりだったので、会の端には坐ったものの、ぼくは唯、まのわるさにもじもじばかりして、人とものもろくに云えないで帰って来た。それに懲りて会へ出たのは前後そのとき一遍だけだった。
貿易新報というのは、開港地の商報新聞にしては、道楽気のあるおもしろい紙面を見せていた。小川芋銭がコマ絵と称する写生図を毎日載せ、小説欄には、硯友社の作家の作品や前田曙山がよく登場して、因果華族という題名の小説などが受けていたようである。