후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면
忘れ残りの記
五石十人扶持
五石十人扶持
おもいがけない未知の人から、ぼくらは常々たくさんな手紙をうける。作家とか何とか虚名をもった種類の人々はたぶんみなそうではないかとおもう。つい先頃もその中の一通に中野敬次郎とした封書があった。小田原市教育委員会事務局の封筒である。読者かナ、とおもいながら披いた。想像はちがっていた。次のような用向きだった。
あるいはもうお忘れかもしれませんが、戦前、市長の益田信世氏の発唱で、当地の公民館で「吉川英治氏を郷土に迎える会」を開催したことがあります。小生も小田原図書館長、郷土史研究会の一員として、そのせつ演壇から御挨拶をかねて「吉川氏の先代について」といったような話をいたしました。甚だ古い事でそれだけの御縁でしかありませんが、じつは、来る十一月三日の文化の日に、おなじ会館において恒例の文化祭を催します。当地出身の文化人の方々にも何かとおせわになっておりますが、こんどはひとつ、もいちど郷土の人々へ何か御講演ねがえないでしょうか。御都合よろしくば重ねて詳細お打合せ申しますが、まずは……。
右は文意で中野氏の原文ではない。この稿の書出しにあたって、手紙筥を掻き探してみたのだが、見つからないので、記憶に依ったわけである。