일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

わすれのこりのき

忘れ残りの記

吉川 英治

吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면

아오조라 문고

みどり屋雑貨店

事実、妾宅であったのかもわからない。

或る朝、学校カバンを肩にかけて、家を出てゆくと、近くの駕虎(人力車宿)の若い衆やら近所の人たちが往来に出て、何やら事ありげに噂をしていた。その立ち話によると、そこの妾宅へ、明け方、誰かが寝込みを襲ったらしく、伊藤痴遊が寝衣姿のまま裸足で逃げたのを見たと、その騒ぎを、蒸し返し、みんなでしているのであった。

痴遊は、その頃、雲井町の雲井座という小屋を持っていて、ぼくら子供心にも、壮士という名で通っていた。壮士とは何の意味であるか分らなかったが、ただ恐い者だという観念があった。――後年、痴遊の政治講談をどこかで聞いたことがあるが、近所にいた頃は、顔も見たことはなかった。痴情騒ぎなど近所に聞えたので、やがてすぐ他へ移って行ったものかもしれない。そういう些細な事すらも、すぐ近所への不体裁とか面子を憚られるほど、清潔というのか、社会秩序があったというのか、とにかく静かで、ひっそり閑とした世間であった。

みどり屋雑貨店

元来、ぼくの父は大酒家だった。ことに一頃の父の姿は酒狂の人みたいにぼくら子供たちの眼には灼きつけられたまま残っている。