일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

わすれのこりのき

忘れ残りの記

吉川 英治

吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면

아오조라 문고

どういう動機から父が易学などに俄に興味を持ち出したのかはよく分らない。

母と父との間にも、前には見られなかった新たな交情が生れていた。枯れかかった夫婦の木が、逆境という季節ちがいの風に会って、かえって、返り花を見せたようなものだった。父の帰宅後は何かと雑費もふえ、母の貧乏家計の切り盛りは一そう火の車だったのに、母はその苦しさを一切父には感づかせまいと努めぬいた。そして貧しいレース編みの巾着から無け無しの小銭を割いても、父の養生の為には、鶏肉を求めて来たり、刺身も白身の魚をさがして、いわゆる病人料理の丹精を朝夕の膳にこめて供えた。父もそれくらいな事は、察し取れていたのであろう。或る折、膳を前にして、心からのように「ありがとう」と、母に小声で云いながら箸を取る姿をぼくは見た事がある。没落し初めてから以後十数年もの間、父が母へむかって、有難うと云ったのは、この時と、父が死ぬ二日前の一言と、そう二度ぐらいなものしか、ぼくは知っていない。

口には出さないでも、父は、とにかく母にたいしては「すまない、すまない」と、その頃は、心で詫びている人のように見えた。特に帰宅当座の父は、子のぼくらにまで、何か気がねしている風で、いじらしくさえ思われた。