후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면
が、すでに巨大な化学工場や何に成るのか知れない煉瓦の高層な煙突工事が、所々に見られた。
土工たちのコンクリート仕事にぼくの一日は預けられた。そこでの仕事は、大きい担い桶を天秤棒でかつぎ、小川の水を作業場へ運ぶことだった。一日何十荷の往復になるだろうか、夕方になったら、ぼくの肩は、そっと触っても痛いほど腫れていた。
毎夕、三十五銭貰って帰った。
その一ときの欣しさは云いようもないが、日がたつに従い、足の裏はセメントに蝕まれ、どうにも跛行を引かずにいられなくなった。もっとも常に足拵えがよければそんな患いもないのだが、草鞋を毎日新しく買うのも惜しく、又、買うにも買えない日の方が多いのである。朝、家を出るときから足拵えも心ぼそい支度で出て、途々、拾った草鞋の片方を片足に穿き代えたりした。
そんな足元では、逞しい仲間から嘲われるのも当然だし、又仕事仲間としては、腹立たしくもなるのであろう、コン棒という物で二、三度なぐりつけられた事もある。
でも、留さん夫婦の親切のてまえ、ぼくは雨の日以外は休みもせず通い続けた。それは何かに以前書いたから(文春・二十九年新年号「煙突と机とぼくの青春など」