후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면
明治三十九年
その数日前、奥で主人の御内儀が、髪結いに髪を上げさせていたのを、余り長い顔が長くなるおかしさに、店頭からスケッチしていた事が主人の耳に入っていたものと、あとで分った。以後、家に居て、貧乏を母と共になめ初める。南仲通り南仲舎の少年活版工になる。新聞広告を見てのこと。
家、追い立てられ、また引っ越す。南仲舎をやめ、知人の世話で、横浜税務監督局の給仕を拝命、初給七円の辞令。
「芭蕉句抄」を露店で買い、頻りに暗誦また句作をおもう。この句抄、以後、数年身を放たず。
明治三十九年(1906) 十四歳
父、再起の緒につき、横浜尾上町教会前に店舗をもち、新聞広告取次店「日進堂」の営業をうけ継ぐ。かたわら化粧品「美容水」の製販をも営む。四方借財のやりくり経営なので、つねに借金取に賑わう。
高嶋米峰氏主宰の学生文壇二号に、初めて、小説を投稿したその「浮寝鳥」当選。商業学校夜間中学に通学。昼は帳場机で店番。貿易新報の俳壇に折々入選。寿町の松浦為王氏の俳句会へ初めて出席。大人ばかりなので以後は行かなかった。尾上町附近は、関内芸妓の巣、自然、狭斜の情調に少年の未知が衝かれる。頻りに恋の如きものを抱く。