후리가나로 읽는 일본 고전
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
吉川 英治의 梅里先生行状記(ばいりせんせいぎょうじょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 209,260자 · 418화면
重秀は、勘定奉行の当路者として、
(これは、貨幣が足らないからである。質よりは数の問題だ。寛永このかた、文物の進歩や社会の推移は著しい。にも関わらず、貨幣はそのままになっている。――当然、改鋳して、質を更え、数をふやして、流通を活溌にしなければならん)
こういう経済観の下に、断行されたものであった。
純良な金質に、銀や銅を混ぜ、銀貨には錫や銅を加えて、新貨幣が発行された。
分りきっていた結果は、そのあとで、当然にあらわれた。物価の狂騰と、庶民生活の困難である。
(これは柳沢どのと、荻原近江守とが、改鋳のあいだを掠めて、私利を獲んためにした策である。それにちがいないのだ)
とまで、諸人の怨嗟は露骨であったが、赫々たる時運に乗った寵臣の耳には、聞えもせず、聞えても、おそらく何の反省もなかったであろう。
それは後のことだが、下地の相談は、すでにこの頃からあったかも知れない。――吉保は、重秀が立ち帰ると、
「ああ、ちと酔うた」
と、ものうげに、両手をうしろへ落し、大廂の外に、わが世の春を飾るがごとくある星を仰いで、大きく酔後の息を吐いた。
「殿。……昼からのお客つづき、おつかれでございましょうが、なおおひとり数寄屋のほうで、久しくお待ちでございますが」