후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
吉川 英治의 梅里先生行状記(ばいりせんせいぎょうじょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 209,260자 · 418화면
三
「与平どの。剣持どの。ちょっとお越し下さい」
と、一大事でも降って湧いたように呼びたてた。もっとも、おととしの春、汁講の一夜にあったあの事件を思い起せば、お蕗が生きていただけでも、大きな驚異には違いなかった。
三
その日、老公は留守だった。数日前から那珂湊の賓閣に在って、なお逗留中とある。
那珂の月は、老公の好きなものの一つであった。月といえば世人は秋の月を賞するが、老公にいわせると、
「春にも名月あり、夏にも名月はある」
のであった。
月ばかりでなく、人を観、人を賞するにも、その見方があるらしい。
貴人なるがゆえに貴まず、貧賤だからといって賤しまない。たとえ愚鈍であろうと、愚鈍のうちに人間の光を見れば、みずから訪うて拝すことさえ惜しまなかった。
茨城郡の一村に、弥作という愚鈍がいた。たれにいわせても、まちがいなく愚鈍な性とされていたが、この男、ひとりの母親だけには、実に孝養をつくしている。
妻はあったが、貧農だし、その妻がまた病身なので、母への孝養が怠りがちとなるのを惧れて、飽かぬ仲だったが実家へ帰し、田へ働きに出る時は、背に老母を負い、片手に農具を抱えまた、べつの手には母の好きな食べ物やら土瓶やらを提げて、畦を行くのが常であった。