후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
国枝 史郎의 神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 188,242자 · 380화면
呟きながら起き上がると、紅巾を持って縁へ出た。顔を出したばかりの朝の陽が夢見山の頂きからお館の屋根を輝かせ、庭の木立の隙を潜り泉水へ落ちる筧の水を黄金色に染め上げてカッと縁まで射していたが、そのすがすがしい光の中へ、つと紅巾を差し出すと綴目の糸をブツリと切り、解きほぐしたり裏返したり陽に照らして打ち眺めたが、
「はてな」
と云って首を捻った。
それからさらに改めて、打ち返し打ち返し眺めたが、
「見えぬ!」
と不思議そうに呟いた。で、じっと考え込む。
その時、サラサラと音を立てて老人の下僕が主屋の方から落花を掃きながら近寄って来たが、
「若様、お早うございます」と掃く手を止めて挨拶した。
「おお甚兵衛か。早起きだな」庄三郎は挨拶を返しそのままじっと考え込んだ。
花を踏み踏み幾十羽の小鳥が庭の木立で啼いている。声を涸らした老鶯が白い杏の花の間で間延びに経を読んでいる。山国の春の最中らしい。
「甚兵衛」
と不意に庄三郎は呼んだ。「まあちょっとここへ来い」
「はい、ご用でございますかな」
「何んと綺麗な布ではないか」
云いながら紅巾を差し出した。
「や、これはこれはお綺麗お綺麗。