후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
国枝 史郎의 神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 188,242자 · 380화면
三
十二月となって大雪降り、駈け引きほとんど困難となった。さすが猛将の信虎ではあったが、自然の威力には叶うべくもなく見す見す城を後にして一旦軍を帰すことになったがもちろん心中は無念であった。この時晴信(信玄)十六歳、父に従って軍中にいたが自分の陣中へ帰って来ると腕を組んで考え込んだ。と、そこへ顔を出したのが土屋庄八郎昌猛である。庄八郎この時十九歳、晴信よりは三つ上であって、お側去らずの寵臣であった。
「殿、なんとなされましたな?」心配そうに訊いたものである。
「莫迦な話だ。退陣だそうな」晴信は顔を顰めたものだ。
「雪が深うございますからな」顔を見い見い庄八郎は云う。
「雪が深い? それがどうした! 冬になれば雪も降るよ。降った雪なら積りもしようさ。莫迦な話だ」と益々不機嫌だ。
「寒さが厳しゅうございますからな」庄八郎はまた云った。顔を見い見い云うのである。
三
「何を申すか。つまらない事を」
晴信はギロリと庄八郎を睨む。
「敵とて人間でございます。やはり寒うございましょうよ」
この言葉には意味がある。で、晴信は黙っていた。
「甲州勢退くと見るや、城兵一時に安心し、凍えた身肌を暖めんものと甲を脱ぎ鎧を解き弓矢を捨て刀鎗を鞘にし……」