후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
国枝 史郎의 神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 188,242자 · 380화면
すると卜伝は二膝ほどスルスルと前へいざったが、
「殿、文庫をお見せくだされ」
「いと易いこと、なんにするな?」
「ご記録拝見致しとうござる」
「記録を見て何んにする?」
「他に何んの用があろう、この名薬の製造主を、記録によって見付けるのでござる」
「おお」
と叫ぶと謙信は中啓をトンと床へ突いた。
「卜伝! そちにそれが解るか?」
「殿」
と卜伝は声を細めた。「この丸薬の製法こそは、越後流にございますぞ!」
謙信は無言で眼を据えた。
「表に塗ったこの金箔、これこそ佐渡の黄金でござる」
「ははあ」謙信は思わず云った。
「やや楕円の形こそは、越後特有の軍用薬型、何んとそうではござらぬかな」
「…………」
「すなわち殿のご家臣の中に、薬の製造人はあるのでござる」
謙信は黙って見詰めていた。
ちょっと重苦しい沈黙である。
やがて謙信は探るように云った。
「誰であろうな? 心あたりあるかな?」
「ご記録拝見致したなら、おおかた見当が付くでござろう」
「うんそうか、では頼む」
謙信ほどの英雄ではあったが、とうとう頼むと云ったものである。
卜伝塚原義勝は、常陸国塚原の産、その実父は土佐守といい塚原城の城主であった。