후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
柳田 国男의 雪国の春(ゆきぐにのはる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 136,000자 · 266화면
極端なる簡易生活にあって、楮の紙の手に入らぬ時代、なおぜひとも後に伝えねばならぬものは、これを樺皮に描いておいたのである。文字はこれを読みうる人があって始めて有用になるのだが、それよりもさらに必要だったのは阿弥陀さまの御影、ないしは六字の御名号である。後世の目から見れば、弘法大師や慈覚大師の御後姿とも思われる殊勝な善知識が、生を殺しては生を営む浦の民の境涯に墨の衣の袂をしぼり、さっと通り過ぎてしまったようなのが、この地方の昔の仏教であった。野の末、森の奥の人生は、結局は一巻の古い樺皮によって、救済せられねばならぬ場合が多かったのである。地頭の富が一寺を建立し、一躯の本尊を安置するを得た以前、あの塚の松の木に名号の一軸を掛けて、村の者ばかりで死者を取り置きしたそうだという話が、いたる所に語り伝えられている。すなわち当時のいわゆる頼うだお方は、心の餓えたる者に精神上の夫食までも、貸し与える風があったらしいのである。
関谷の武藤氏の家には近いころまで、この樺皮のまだ何にも使用せぬものが何枚かあった。それはそれは精巧なものであったそうである。しかも地方によっては、すでにこのような樹皮を利用したことをも忘れてしまっている。