후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
徳冨 蘆花의 小説 不如帰(しょうせつ ほととぎす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,742자 · 256화면
恋しと思う父は今遠く遼東にあり。継母は近く東京にあれど、中垣の隔て昔のままに、ともすれば聞きづらきことも耳に入る。亡き母の、もし亡き母の無事に永らえて居たまわば、かの苦しみも告げ、この悲しさも訴えて、かよわきこの身に負いあまる重荷もすこしは軽く思うべきに、何ゆえ見すてて逝きたまいしと思う下より涙はわきて、写真は霧を隔てしようにおぼろになりぬ。
昨日のようなれど、指を折れば十年たちたり。母上の亡くなりたもうその年の春なりき。自身は八歳、妹は五歳(そのころは片言まじりの、今はあの通り大きくなりけるよ)桜模様の曙染、二人そろうて美しと父上にほめられてうれしく、われは右妹は左母上を中に、馬車をきしらして、九段の鈴木に撮らししうちの一枚はここにかけたるこの写真ならずや。思えば十年は夢と過ぎて、母上はこの写真になりたまい、わが身は――。
わが身の上は思わじと定めながらも、味気なき今の境涯はあいにくにありありと目の前に現われつ。思えば思うほどなんの楽しみもなんの望みもなき身は十重二十重黒雲に包まれて、この八畳の間は日影も漏れぬ死囚牢になりかわりたる心地すなり。