후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
徳冨 蘆花의 小説 不如帰(しょうせつ ほととぎす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,742자 · 256화면
武男は望みを得て望みを失える心地しつ。一年ぶりに母にあいて、絶えて久しきわが家の風呂に入りて、うずたかき蒲団に安坐して、好める饌に向かいて、さて釣り床ならぬ黒ビロードの括り枕に疲れし頭を横たえて、しかも夢は結ばれず、枕べ近き時計の一二時をうつまでも、目はいよいよさえて、心の奥に一種鋭き苦痛を覚えしなり。
一年の月日は母子の破綻を繕いぬ。少なくも繕えるがごとく見えぬ。母もさすがに喜びてその独子を迎えたり。武男も母に会うて一の重荷をばおろしぬ。されど二人が間は、顔見合わせしその時より、全く隔てなきあたわざるを武男も母も覚えしなり。浪子の事をば、彼も問わず、これも語らざりき。彼の問わざるは問うことを欲せざるがためにあらずして、これの語らざるは彼の聞かんことを欲するを知らざるがためにはあらざりき。ただかれこれともにこの危険の問題をば務めて避けたるを、たがいにそれと知りては、さしむかいて話途絶ゆるごとにおのずから座の安からざるを覚えしなり。
佐世保病院の贈り物、旅順のかの出来事、それはなくとももとより忘るる時はなきに、今昔ともに棲みし家に帰り来て見れば、見る物ごとにその面影の忍ばれて、武男は怪しく心地乱れぬ。