후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
徳冨 蘆花의 小説 不如帰(しょうせつ ほととぎす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,742자 · 256화면
閑静なる河ぞいの宿をえらみて、ここを根拠地と定めつつ、軍服を脱ぎすてて平服に身を包み、人を避け、公会の招きを辞して、ただ日々浪子を連れては彼女が意のむかうままに、博覧会を初め名所古刹を遊覧し、西陣に織り物を求め、清水に土産を買い、優遊の限りを尽くして、ここに十余日を過ぎぬ。世間はしばし中将の行くえを失いて、浪子ひとりその父を占めけるなり。
「黄檗を出れば日本の茶摘みかな」茶摘みの盛季はとく過ぎたれど、風は時々焙炉の香を送りて、ここそこに二番茶を摘む女の影も見ゆなり。茶の間々は麦黄いろく熟れて、さくさくと鎌の音聞こゆ。目を上ぐれば和州の山遠く夏がすみに薄れ、宇治川は麦の穂末を渡る白帆にあらわれつ。かなたに屋根のみ見ゆる村里より午鶏の声ゆるく野づらを渡り来て、打ち仰ぐ空には薄紫に焦がれし雲ふわふわと漂いたり。浪子は吐息つきぬ。
たちまち左手の畑路より、夫婦と見ゆる百姓二人話しもて出で来たりぬ。午餉を終えて今しも圃に出で行くなるべし。男は鎌を腰にして、女は白手ぬぐいをかむり、歯を染め、土瓶の大いなるを手にさげたり。出会いざまに、立ちどまりて、しばし一行の様子を見し女は、行き過ぎたる男のあと小走りに追いかけて、何かささやきつ。