일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

わすれのこりのき

忘れ残りの記

吉川 英治

吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면

아오조라 문고

それを弟に持たせて帰したが、いくら物の安い頃でも白銅一個で一家の飢えがしのげるとは、ぼくにも考えられていない。

やがて夕飯になったが、飯も喉に入らなかった。自分だけがこんなに飯や汁も口に出来るという事自体が悲しかった。で、通い番頭の平井さんが帰りかけるのをつかまえて「母が急病なので今夜だけお暇をください」と頼んでみた。平井老人は「さ、旦那もお留守だし」と難しい顔をしたが、結局、御隠居さまに一応伺ってから「じゃあ、十一時までに帰るんだぜ。十一時までだよ」と許してくれた。

その口吻に甘えて、ぼくは又「お給金で返済しますから」と、店の陳列にある牛缶を二個前借した。それを持って、その晩、西戸部のわが家へ駈けるように行った。

ところで、後々まで、このときのぼくの失敗を、生前の母ともよく思い出しては笑い話にした事だったが、ぼくは弟の知らせで、一家が餓死寸前の急場のように感じたので、家へ行く途中で、蕎麦屋で蕎麦のカケを幾杯か註文していた。とにかくすぐ食べられる物を算段するため少年の頭脳でありッたけの智恵をしぼったつもりだった。

じっさい、それは病床の父から幾人もの小さい弟妹たちの餓死をくいとめた物ではあった。