후리가나로 읽는 일본 고전
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
吉川 英治의 新編忠臣蔵(しんぺんちゅうしんぐら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 337,181자 · 676화면
『はて?』
格別、怪しげな人影も拾えないのだ。然し、開け放してあった厩口の木戸から潜り門を通って、一抹の魔気がこの往来へ抜けて行ったように、孫八郎には受け取れてならない。
彼はそこに佇んでいた。世間は漸く秋も深まって、其処此処の木の葉が落ちかけて来た。――吉良家対浅野浪人――こう興味を持って眺めている世間の眼と囁きが、その木の葉にも喧しく感じられた。自分のこうして佇んでいる姿も、すぐに近所の町人たちの眼の的になるような気がして、孫八郎は何か後めたい気持を覚えた。
何も獲るところなく、表門の潜りまで戻って来ると、木村丈八は、まだそこに立っていて、彼の挙動を不審るように訊ねた。
『左右田氏、誰を探して居られるのだ、誰を? ……』
『いや、誰という事もないが、今、若殿のおことばで、厩口の木戸が開いておるのに気附いたので』
『ふム……。誰か中奥まで立ち入った様子があったのか』
『まだ、御表の者を糺してみねば分らぬが』
それから二人が玄関へ来て、取次の小侍や、用部屋の者を呼んで調べると、べつだん怪しい者が立ち入った形跡はないと皆云い張った。ただ、門番の云うには、たった今、旗本の牧野家から手紙を持った使の中間が来て、暫く供待に腰をかけ、大殿の御返書が下がるのを待って、それを持って帰った事はあるという言葉であった。