후리가나로 읽는 일본 고전
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
吉川 英治의 梅里先生行状記(ばいりせんせいぎょうじょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 209,260자 · 418화면
影
一
本殿はみだりに平常用いないが、数寄屋は吉保の安息所として、夜は燈り、昼もよくここに寛ぐ。
「お。……お見えらしいな」
水戸家の臣、藤井紋太夫は、遠く夜を囁くものの気配に、吉保がようやくここへ来たのを知った。
「お待たせいたしました。こちらへお通りくださいませ」
美しい侍女が、やがてかれを誘った。遠からぬ一室に、吉保は待っていた。眩いばかり明るい左右には腹心の者らしい侍臣が二名いるほか、すべて女子が侍していた。
遠く、紋太夫は座をとって、時候のあいさつから始まって、目通りのかなった歓びなど、礼儀はいんぎんを極める。
吉保は、あっさり、
「待たせて、気のどくであった」
と、いったのみである。
それから雑談にうつるとすぐ、
「みな、遠慮せい」
と、左右の者、すべてを、遠く退けてしまった。
親藩の家老とはいえ、格からいうと陪臣である。吉保とは、身分の差がありすぎた。しかし、たったふたりきりになると、主客のあいだは、まったく私交的になっていつか膝を寄せあい、親しげな小声を交わしていた。
「その後、西山のほうは、変りはないか。隠居の動静は、近ごろどうじゃな」
「まったく、百姓めかして、他念なげにはお見うけされまするが、本来、豪毅なお気性、あのままとは存じられませぬ」