후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
食なきに食を分ち、衣なきに衣を分つのが、人間の至情です」
島田は、窓越しに鉄道馬車の通る表通りを一瞥して、またつづけた。
「ついては、どんな方法で救済すべきか。帰りの車中もいろいろと考えてきたが、この事業は、従来の鉱毒運動とはまったく別箇の新運動として、同情ある婦人の手にゆだねたい。婦人の同胞愛に信頼したい」
「それは至極適切なお考えと思います」と、木下が口を挟んだ。「先夜の鉱毒演説会にも、婦人矯風会の人たちが傍聴に来ていて、たいへん感動して聴いていたようです。ひとつあの人たちに乗り出してもらったらいかがですか」
「うん、私もそれを考えていた」
そこで婦人矯風会へ交渉すると、さっそく潮田千勢子が来社した。髪の毛はもうなかば白い、六十ばかりの小柄な婦人だが、面長な顔には冴えた余力がかがやいていたし、その目は清らかで凛々しかった。先夜の演説会でことのほか感銘を受けたので、一度実地を見てきたいと思っていたといって、積極的な意向を示した。島田の実見談をきいてさらに感動を深め、その救済をみずから責務と思いこんだような様子であった。
その日の懇談の結果、十六日に婦人有志がはじめて鉱毒地を視察することになった。