후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
柳田 国男의 雪国の春(ゆきぐにのはる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 136,000자 · 266화면
九
九
真澄の雪国の春の日記は、自分の知るかぎりでは以上十一度の正月以外に、もう伝わっておらぬようである。これから後の十七、八年は、もっぱら秋田領の地誌を作るために費やされ、その間に吟詠の事業があったので、珍しい日記を中止したものかと思う。私は将来の東北文化の研究に向かってこの人の事業が何ほどの功績を有するかを説くために、例を新年習俗の記述にとったが、もちろんこれと関係のない方面にも、他には求められぬ特別の資料は多いのである。しこうして問題は何ゆえに菅江真澄の著作ばかりが、ただひとり百年を隔てて今にその価値を認められるかであるが、それにはもとより学問と文章との、大きな力も与かっている。けれどもそれのみならば他にも彼以上の人はいくらも算えられる。われわれの珍重すべきは、主としては彼の境遇でありまた気質である。五十年近くも故郷を振り捨てて、あの多感の歌心を雪の孤独に埋没しなければならぬような運命は、そう多くの旅人の持って生まれることのできぬものであった。
彼の生涯を一貫して、世に時めくという類の朋友は一人もなかった。学者としては弘前の毛内茂粛、斎藤規房父子のごとき、または久保田の那珂通博のごとき、晩年には八沢木の大友直枝なども、次第に彼の詞藻の半面を認むるにいたったようだが、もとより爾汝の間柄ではなかった。