후리가나로 읽는 일본 고전
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くろふねぜんご
黒船前後・志士と経済他十六篇
服部 之総
服部 之総의 黒船前後・志士と経済他十六篇(くろふねぜんご)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 121,901자 · 247화면
そしてなみなみと、両手が重く感じるまでに注ぎきった。
二番目の老人が平鉢を前にすすめて、生作りの鯉の眼に醤油を注ぐ。鯉が正気をとり戻して平鉢の中で一はねすると、背中の割目から一寸大のさしみがこぼれ出るという仕組である。それを幾切れか小皿に盛って出す。満座無言のなかで、注ぎきられたのと差出されたのとどちらが先だったかいまは忘れたが、いきづくりを肴に飲み回しの儀式であると辛うじて私は了解した。新郎も私も当時『歴史科学』という雑誌の同人だったのだが、この村に五人組とともに残っている有職料理の作法などもとより知るべくもなかった。
このたびは自動車どころではない。稲田の隣り福原という駅で汽車を棄て板敷山を南に越えて村に出る。自由大学の会員である二人の青年が出迎えてくれて、二台の自転車に私を挾むようにして暮れ方の坂道を登る。私の講座は明朝九時からで、会場は峠を下りきった所にある板敷山の大覚寺の本堂。今夜は桜井君を中心に座談会開催中で、その寺までゆくのだという。宵闇が道に垂れこめたところで、自転車にくくりつけた私の荷物が失われているのに気がついた。二人の青年はそれを探しに引きかえし、ゆくりなくも私は板敷山の宵道をただ一人で降り坂にとりかかった。