후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면
夕方になると日給で三十銭ずつその日にくれた。
ここへぼくは二た月三月通った。春から夏頃までだった。
ヨイトマケの女たちは、ぼくだの事務所ボーイの敏公などが近くを通ると、さかんに猥らな唄を唄い囃した。そしてぼくらが顔を赤くして走るのを見てよろこんだ。たとえば、筆下ろしはまだだろうとか、可愛がって上げるから晩においで、というような盆踊りめいた原始調を、あのヨイトマケの節に合せて、音頭取りの女が即興詩人のように唄うのだった。女だてらといおうか、ずいぶん大胆な猥歌を唄うのだ。ぼくは顔を赤らめて逃げる風をしながら、じつは自分が女に意識されている歓びを感じていた。胸を弾ませた女たちの中には編笠かぶりや姉さん冠りの若いきれいな女もかなり交じっていたからである。
事務所に寝泊りしている敏公という少年は、元町警察署から表彰されて、新聞にも出たり親方も感心している親孝行少年というので評判者であった。当人もそれを自慢してぼくに逐一の身の上やら表彰式で撮って貰ったという写真を見せたりしたことがある。その時ではなかったが、或る時この敏公が、ふところから大事そうに取出して「見せてやろうか」