후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면
だからオヒゲの伊東さんよりは、和平どんの方がどこの酒保へ行っても持てた。
或る日、ぼくに驚くべき吉事が起った。というのは、かなり大きな木箱一ぱいの書物が、運送屋からぼく宛てに届いたのだった。
開けてみると、何百冊あったろうか、全部が俳句の古雑誌だった。野毛通りの金港堂古書店が差出人となっている。
それと一しょに、家から母の手紙が来た。手紙にはこうあった。
「――以前、お父さんが世話して上げた事のある奥田さんという人がお父さんの逆境を知って、この頃、たいへん親切にして下さる。そしてこちらでは忘れていたほど古い貸金を返済してくれたので、家の家計も一ぺんに楽になるし、そのせいかお父さんもこの頃は床から起きて、お元気になっていらっしゃる。だから、あんたももうこれからは、家の事も心配しないでください」とあり、それから別便で送った本は、お父さんがめずらしく散歩に出、御自分で金港堂から送らせたものです、ともしてあった。
ぼくは、うれしくて、その晩は寝られない程だった。そしてさっそく寝床に俳句雑誌を持ちこんで寝た。ホトトギス、卯杖、秋声、日本俳壇など、その頃の俳句雑誌のあらましはあったような気がする。