후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
吉川 英治의 忘れ残りの記(わすれのこりのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,050자 · 383화면
――というような絵とテーマとの、いわば近頃の紙芝居を、即席にやって見せるのだった。
もちろん、絵も説明も、満足には表現できッこないが、子供仲間では通用するのだ。それに、テーマはすべて児童の身辺の事で、またかならず、仲間の誰かをモデルにした。鉛筆と紙のときは、ヒルム式な連鎖描きとし、石盤石筆のばあいは、一場面一場面、描いては消し、描いては消し、かつ思いつきの筋を喋っていくのだからずいぶん忙しい。
この遊戯は、雨の日の教室に限っていたが、何遊ビとも名称がなかった。あるいは、ぼくらの仲間だけが思いつきでやり出していた事かもしれない。そしていちばんその遊戯を好んでしたのはぼくであった。みんなから「やれよ、やれよ」と、せがまれるのが自分も得意で、仲間の誰彼をモデルにしては憑かれたように空想を喋り空想を自由画にした。いちど、ぼくが好きな女の子をよくいじめる高木というアバタの少年をモデルにして、そいつが落第したり家が火事になって小僧にやられたりするような事を、出まかせに喋っていたら、高木が怒って、ぼくの頭から、硯に残っていた墨汁を浴びせた。振向きながら、手で髪の毛を掻き廻したので、手も顔じゅうも真ッ黒になった。