후리가나로 읽는 일본 고전
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
吉川 英治의 梅里先生行状記(ばいりせんせいぎょうじょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 209,260자 · 418화면
「紋太夫は見えぬが、いかがいたした。紋太夫は不在か」
と、あいさつの為、次々に、ここへ来ている家臣たちを見ていった。
「いや、たしか今し方まで、おられたはずでございますが」
と、ひとりがすぐ、彼のすがたを求めに起ちかけると、
「いや。呼ぶには及ばん」
と、老公はなぜか制して、しかもそれが不自然にひびかぬように、
「何ぞ、忙しいことに紛れておるのであろう。後刻、ゆるりと会おう」
しかし、間もなくその紋太夫は、主君綱条に侍して、これへ見えた。――わが子ながら綱条は当主である、老公は席を分けて、上座を与えた。
綱条は、あえてその席を占めなかった。やはり子として厳父の下に手をつかえたいのである。近況をたずね、気候の障りを見舞い、そして、
「どうしてお供もわずかしか連れず、かくは遽に、早馬に召されてご出府でございましたか」
と、いぶかし気にたずねた。
藤井紋太夫は、その綱条の陰に慎んでひかえていた。どう見ても忠良な側臣である。また一藩の国老として見劣りもなく、叡智で物静かな人品である。――老公の眼は、時折、かれのほうを見た。紋太夫は、終始、うつ向きかげんに控えていたが、決して、躁がしい眼はしていなかった。