일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ほうそうやわ

法窓夜話

穂積 陳重

穂積 陳重의 法窓夜話(ほうそうやわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 136,325자 · 264화면

아오조라 문고

夫人マリアが、その夫と獄中生活を共にするようになってから、もはや一年有半を経過した。その間、両人は、絶えず脱走の機会の到来するのを窺うておった。夫妻両人の毎週送り出す櫃は、何時も何時も獄吏どもには何らの興味をも与えない古本や、汚れた衣類ばかりであったので、歳月を経るに従って、これらの検査も次第に緩やかになって、終には櫃の蓋を開くことさえもせずに、これを通過させるようになった。

マリア夫人が、一日千秋の思いをして待っていた逃走の機会は、今や次第に近づいて来た。夫人はその機会のいよいよ熟したのを見て、夫に勧めて冒険なる脱獄を企てたのである。その方法として、夫人は監守兵の怠惰に乗じて、その夫を櫃の中に隠匿して、これを救い出すという画策を案出したのであるが、これを実行するのは、種々の困難と、多大の危険とが伴うことは言を俟たないことであるから、熟考の上にも熟考を要する次第で、軽々しく手を下すことが出来なかった。たとい平素は監守の任にある将卒の注意が緩んでいるとしても、もし一兵卒が櫃を怪しんだり、あるいは好奇心から偶然にもその蓋を開けて見るような事でもあるならば、折角の千辛万苦も、一朝水泡に帰して万事休するに至るは明瞭な事柄である。