후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
「はい、それでは……」
永島はにわかにたかまった動悸をおさえながら正造に会釈して座を立った。控室の拍手につれて、本堂や庭の聴衆からも一時にどっと拍手が起った。永島は拳を固くにぎりながら、密集した聴集の頭と膝とを踏みこえるようにして演壇へすすんだ。壇の前に立って、まずコップに水を注いで一口飲み、
「満堂の諸君!」
大きくひと声放ってみたものの、シーンとなって重り合って静止した顔々が、一瞬自分の前へ動き出してくるような気がした。彼はもう一度コップの水を飲み下し、咳払いをして、
「諸君」と、もう一度同じ言葉をくりかえした。
それでもどうにか、団結して請願運動を起さねばならぬという所信を述べ、田中代議士、荒川県会議員がわざわざ当村へ来られた熱意を紹介して壇を下りた。弁士控室へもどって、腋の下に汗の冷えをかんじながら片隅へ坐ってほっと一息ついた。すると正造は体を前へ傾けて覗きこむようにしながら、
「はじめてか君、初めてではなかろう」
永島は言葉をかけられて、漸くさめかけていた頬がまた火照りだした。
会場では、正造の通知によって応援に来たという吾妻村の青年たちが、こもごも立って簡単な演説をしていた。