후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
渡瀬村から舟橋をわたって雲龍寺附近、吾妻村下羽田、植野村舟津川という道順で、やがて界村に入る頃には、妙によそよそしく赤味を帯びだした光芒のなかに、一行の影が長々と伸びてきた。振りむくと寂莫とした野面の果に、赤くただれた夕陽がぽっかりと浮んでいた。
榎本の足どりにも疲労が見えてきた。三鴨村境の笹良橋まで来て、津田の注意で道端の掛茶屋へ榎本を招じ入れた。渋茶の茶碗をとる手もとも暗くなって、寒さが身に沁みた。そのとき案内者の一人が榎本の前へすすみでて、
「今日は長い道程をわれわれと共に仔細に御視察いただきまして、誠にありがとう存じます」とうやうやしく腰をかがめた。「被害の実地を御覧になりまして、いかがな御感想がございましたでしょう? 何分の御言葉がいただけましたなら、被害民一同さぞかし感泣いたすことと存じます……」「うむ、諸君もいろいろ御苦労であった」榎本はそれだけで枯蘆のそよぎへ目をそらしていたが相手の追いすがる目差しをかんじて、
「私も木石でない。感じたことも多々あるが、何分にも、きょうは微行であるから、いまここで感想を述べるわけにはいかぬ」
厳粛な口調でそう洩らすと、ふたたび黙りこんでしまった。