후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
伊藤内閣は、この一月十二日に成立したばかりで新任の者が多く、衆議院は旧臘解散になって、このほどようやく総選挙を終った次第で、これまた新任の議員が多い。しかもこの正月「争いは紙帳のなかの夫婦の屁」と揶揄したように国内の政争をこととしているあいだに、独逸は膠洲湾を、露西亜は旅順口を占拠して、一月と三月にそれぞれ清国と租借条約を結んでしまった。政治家の頭脳も世人の視聴もこの対外問題におおわれて、おそらく鉱毒問題は顧みられることがないだろう。考えてくるとなにひとつ鉱毒問題の障礙物でないものはない。そのうえ被害民自身の運動は遅々として行き悩んでいる。さきには反対派の誣説のために大出、谷の二人が入獄させられ、今また風聞によると、安蘇郡の一部では地主たちが鉱毒地の小作料を引上げたということである。これも離間者の術中に陥って慾にかられた結果であろう。果してこの風聞が事実なら、反対派はまたもこれを被害民の讒誣に逆用して「収穫があればこそ小作料も引上げたのだ。一事が万事、被害民のいうことはみんな嘘ッぱちだ。鉱毒々々と騒ぐのは要するに金が欲しさにやることさ」などといいふらすにちがいない。