후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
すると留守中事務所には、七時に越ヶ谷からの電報が届いていた。
「一同疲労シ、草原ニ野宿」云々と読み下して、正造は暗い庭先へ目を移した。その頬に大粒な雫が伝っていた。昨春の大挙上京の折、寝食欠乏のために帰宅後病死したという老人のことなどが、脳裏を埋めたのである。昨夜も安眠していないし、今日もまた病中の奔走で体はくたくたに疲れていた。だが、正造は満面の憂傷を払うように決然と、これから越ヶ谷へ行くといい出した。居合せた須永金三郎、山田友次郎の二人を事務所の留守居役として、左部彦次郎一人を連れて出発した。時に午前一時であった。
千住までくると、そこにはもう巡査二名が暗中に佇んで橋を守っていた。埼玉境の府下淵江村まで来たとき、鶏鳴をきいた。俥夫がにわかに空腹を訴え、もうこれ以上は歩けないといいだした。殊に一人の俥夫は、昨日の昼間から正造を乗せてほとんど駆けつづけであったし、無理もなかった。竹塚の亀屋という宿をたたき起して飯を炊かせ、しばらく彼等を休息させることにした。正造もまたその寸暇に、熱っぽい病躯を横たえて目をつぶった。
うとうととして目を醒ますと、しらじらと空が明るんでいた。