후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
先刻から、いよいよ深く項垂れて膝をふるわせている者もあれば、眦を怒らせて検事の顔を睨みつけている者もいた。だが、検事はどこまでも冷厳な調子で言葉をつづけた。
「証人及び被告人のなかには、警官が暴行したというようなことを申立てる者があるが、これは一件記録中に証拠として見るべきものが少しもない。しかし被告人のうちに傷を受けた者のあるのは事実である。だが、これは巡査に捕えられる際に抵抗したために自ら招いたものであろう。ただ山崎※(「金+圭」、第3水準1-93-14)次郎の頭部の負傷に至っては、本職も甚だ不憫にたえぬ次第であるが、これは恐らく石塚佳之助という巡査が剣を奪われ、その剣を投げた者があるということゆえ、それが※(「金+圭」、第3水準1-93-14)次郎の頭部に当って負傷したものであろうと思う」
この時である。しずまり返っていた傍聴席の一隅から「エヘン、エヘン」と咳払いがきこえ、つづいて「アアア……」という長い大欠伸がひびき渡った。裁判官も弁護士も傍聴人も、この意外な出来事に思わず動揺して耳をそばだてた。なかにも小林検事は、弁論の腰を折られた憤りの目差しで声の方を睨みつけた。