후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
国枝 史郎의 神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 188,242자 · 380화면
「あたりめえだ。云うまでもねえ。ただの子供とは小柄が異う。見損なっちゃいけねえぜ。……おいそれはそうとお前の眼には、あれが何んと見えるかな?」
云いながら甚太郎は手を上げて部屋の壁を指差した。秘蔵の黐棹が立てかけてある。
「へい、黐棹でございましょうが」
「ただ黐棹としか見えないかな」
「他に見ようはありませんな」
「俺が持つと槍になる」甚太郎は味噌を上げ出した。「嘘と思うなら見るがいい」
ツカツカ壁際へ近寄るとヒョイと黐棹をひっ掴んだ。部屋の中央へツツ――と出ると、小四郎へ向けてピタリと付け、ヒュッ――、ヒュッ――と素繰りをくれる。針のように鋭い棹の先は見る見るグルグルと渦を巻いたが、それが小四郎の眼の先で大きくなったり小さくなったり自由自在に延び縮みする、大きく渦を巻く時は、小四郎の胸も大きく膨らみ、ハッハッハッハッと気が急き立ち、絶壁から深淵を見下した人がその深淵に誘惑され身の破滅と知りながら自分から進んで身を投げるように、穂先の渦巻きの只中へ飛び込もうと焦られるのであった。
一歩一歩小四郎は、前へ前へと歩いて行く。渦巻きは漸次大きくなる。天井に届き壁に届き小四郎の眼からはその渦巻きが部屋一杯の大きさに見え、そうして渦巻きの奥に当って一つの顔が浮き出している。