후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
国枝 史郎의 神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 188,242자 · 380화면
富士は男性ではなくて女性であることをうなずかせる。
「白雲もいゆきはばかり」と詠われた峰のあたりに一所白く寒々として眼に見えるのは谿に残った万年雪でもあろう。少し下がった左の肩に昼の月が浮かんでいる。
しかし、老人も庄三郎も富士に心を曳かれようとはせず、今は聞こえない蹄の音が遠く消え去ったその方角へ眼と耳とを働かせていた。
長い間二人は黙っていた。
と、庄三郎が呟いた。「血紅色の経帷子!」
それから袂へ手を入れて例の紅巾を取り出した。
「同じ色だ! ちっとも違わない!」
「人狩りに行かれたのだ! 人狩りにな!」
呻くような声で老人は云った。
「あいつらいったい何者かな?」
庄三郎は声を掛けた。
「水城の人達でございますよ」
「なに水城? どこにあるのか?」
「本栖湖の中にございますそうで」
「なるほど、そうして人狩りとは?」
「人狩りは人狩りでございますよ……。ああ恐ろしい恐ろしい! うかうかそんな事云おうものならそれこそこっちの命があぶない。さあお暇だ。ごめんなさいよ。……早くあなたもお逃げなさるがよい」
老いたる樵夫はこう云い捨てると背負った薪を揺り上げ麓の方へ走り下った。