후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
今はまだ十二年の末であるから、新しい十三年がどんな年で現われてくるか判らない。元旦も晴か雨か、風か雪か、それすらもまだ判らない位であるから、今から何も云うことは出来ないが、いずれにしても私はこの仮住居で新しい年を迎えなければならない。それでもバラックに住む人たちのことを思えば何でもない。たとい家を焼かれても、家財と蔵書いっさいをうしなっても、わたしの一家は他に比較してまだまだ幸福であると云わなければならない。わたしは今までにも奢侈の生活を送っていなかったのであるから、今後も特に節約をしようとも思わない。しかし今度の震災のために直接間接に多大の損害をうけているから、その幾分を回復するべく大いに働かなければならない。まず第一に書庫の復興を計らなければならない。
父祖の代から伝わっている刊本写本五十余種、その大部分は回収の見込みはない。父が晩年の日記十二冊、わたし自身が十七歳の春から書きはじめた日記三十五冊、これらは勿論あきらめるよりほかはない。そのほかにも私が随時に記入していた雑記帳、随筆、書抜き帳、おぼえ帳のたぐい三十余冊、これも自分としてはすこぶる大切なものであるが、今さら悔むのは愚痴である。