轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页

青空文庫

妙な奴だと俺は興味を持って、俺より三つ四つばかり年下と思われるその男と、こんな問答をした。駄目でしたで帰れるのか。いやだと言うんじゃしょうがねえ。「先生」にどなられやしないか。どなられても、しょうがねえ、どならせておくさ。

俺はその男がなんとなく気に入った。大体こういう手合いにしばらく会わなかったせいもあろうか。そのため久しぶりの緊張が俺を面白がらせていたのかもしれぬ。

面白い男だと、これを前置きにして、

「お前さんの名はなんて言うんだ」

俺の語調はそれまでとは変っていた。俺の心の姿勢が男のほうに傾いたことを示すその語調に、相手は迷惑そうに言った。名乗って出るほどの者じゃないがと、これを前置きにして、

「あたしゃ朝倉と言うんで……」

自分を三下だとしている声だ。謙遜や卑下ではなく、自分まで冷たく突っ放している声だった。

「そうか」

俺だって三下だ。ずっと三下として扱われてきた。三下としか扱われなかった俺を、朝倉はしかし三下とは見ないで、こう言った。

「あんたに先生がどうしても会いたいんなら、先生がじかに来ればいいんだ」

「そうもいかねえだろう」

俺は虚栄心をくすぐられるおもいだった。