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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

それだけの圧縮に平気なら、氷原でも何でもどんどん乗り切って行くだろう」

と、ドレゴは羨しそうな顔をする。

「で、そういう事実を、君はどこで発見したのかね、ホーテンス君」

訊いたのは水戸だった。

「そのことだ。僕は、怪船ゼムリヤ号の身許を知ることが、この事件の解決の近道だと思ったので、早速本社へ指令して、ありとあらゆる船舶関係の刊行物を調べさせた。ところがゼムリヤ号の名はどこにも見当らないと報告があった。僕は失望した。しかし、同時に別の勇気が奮い起った。それはつまり、ゼムリヤ号がいよいよ怪船らしく見えてきたからだ。だが、それだけではどうにも出来ぬ。何としてもゼムリヤ号の正体を探し当てなければならぬ。この上はどうしたらいいだろうかと思い、このオルタの港を眺めていると、そこへ入港して来た一隻の汽船がある。それはソ連船レマン号だった。僕はその船を見た瞬間一種の霊感に触れた。そこで飛ぶようにして一隻のモーターボートを傭い、そのレマン号へ乗りつけたのだ。それから、船長に要件を申し入れた。船長のポーニフ氏は愕いていたね。しかし彼はゼムリヤ号なんて聞いたことがない名前だといった。