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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
到着
それは、昨夜ドレゴが熟睡中、彼の寝室における異様な物音によって目覚めたという一事であった。この事柄こそ、事件判定の有力なる手懸りの一つであるわけだが、ドレゴはそれから程経つまでこの重要な事項を忘れていたのである。
現場は惨憺たるものであった、荒涼目をそむけたいものがあった。
巨船は人を莫迦にしたように山頂に横たわり、そしてあいかわらず燃えさかっていた。
町中の人が、皆戸外に立って、燃えさかる山頂を恐怖の面持で見守っていた。今や事件は、この町中にすっかり知れ亙ったのである。
到着
ドレゴと水戸が、やっぱり一番乗りだった。ヘルナー山に登るには相当の用意が必要だったので、誰でも直ぐ駆けあがるというわけに行かなかった。
また自動車をこんなに速く山麓へ飛ばす芸も、この呑気な町の人々には真似の出来ることではなかった。
それでも両人が現場に辿りつくまでには、かなりの時間がかかった。両人は全力をあげて能率的に互いを助け合ったつもりだったが、現場についたのは、もう夕刻であった。
その長い忍耐苦難の連続の道程に、ドレゴは彼の事件発見の顛末の一切を水戸に語って聞かせたのであった。