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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

異常海底地震

「ふふふふ、すごい法螺を吹くぜ、君は」

と二人が盛んに論じ合っている卓子へ、入口から入って来た若い男がつかつかと歩み寄った。

「おう、ドレゴ君に水戸君」

「やあホーテンス君だよ」

「へえ、そうかね、何事だい」

「一つの機会が、今君達の前にある。どうかね、これからワーナー博士の調査団に加わって一週間ばかり船旅する気はないか」

「ワーナー博士って、あの原子核エネルギーの権威であるワーナー博士のことか」

と水戸は、せきこんで訊いた。

「そうだよ」

「ふうん、すると大西洋の海底を探ぐるんだな」

「ほう、よく知っているね」

「ぜひ連れていって呉れ。事件の鍵はあそこになければならないのだ。おいドレゴ君、君も是非行くんだ」

水戸は何時になく昂奮して叫んだ。

異常海底地震

その朝、オルタの港へ、一隻の奇妙な恰好をした船が入って来て、町の人々の目をみはらせた。いやに四角ばった殺風景な船で、甲板の上には橋梁のようなものが高く組んであり、後甲板は何にもなく平らであった。白いペンキ塗装ばかりが美しく、そして船尾に目もさめるような星条旗がはためいていた。

掃海船サンキス号だった。

掃海船とはいうものの、この船は水上機母艦と同じ役目もやってのけた。