轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页

青空文庫

だが、金属が飴の様に伸びる道理はない。それには仕掛けがあるのだ。ちょっと見たのでは小さな一箇の円筒に過ぎないが、その実は薄い鋼鉄の筒を幾十箇となく重ね合せたもので、筒と筒とにピッチリ締まる留め金がついていて、内側の筒を引き出すに従って留め金がかかり、元に戻らぬ仕掛けになっている。

「君は、写真器の三脚に、これと似た仕掛けのものがあるのを見たことがあるじゃろう。もっと手近な例では、旅行用の伸び縮みする金属のコップだ。登山家などが使っているあれだよ。この魔法の杖はあの仕掛けを極度に利用して、良質の鋼鉄を使い、微妙な細工を施したものに過ぎないのだ。ハハハ……、どうじゃね。何でもない思いつきが、ひどく調法するではないか。わしはこの様な魔法の道具を色々と工夫して用意しているのだよ。七つ道具さえあれば、三笠龍介の字引きに『不可能』という字はない訳じゃて、ハハハ……」

守が命ぜられるままに、懐中電燈を持って、天井の陥穽の蓋を照らしていると、老探偵は、支那の大道手品師の様な恰好で、銀の竿をあやつり、巧みにそこの留金を廻して、蝶番の板を開いてしまった。

それから、竿の先に絹糸の繩梯子の鈎を引かけると、又もや無類の器用さで、その鈎を天井の陥穽の縁へシッカリ喰い込ませた。