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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
吉川英治『宮本武蔵(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宮本武蔵、宮本武蔵。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 页
二
と、訊くと、
「戦場においても、平時においても、利がござれば」
と、太刀を稽古しているという二人が答えた。
二
槍が利か、太刀が利か。
これは、いつも、議論になることだったが、槍の者にいわせると、
「戦場では、平常の小技の稽古などは、役には立たぬ。――武器は、体に扱える程度に、長いほど利である。殊に、槍には、突く手、撲る手、引く手の、三益がある。槍はまた闘いに損じても、太刀の代りがあるが、太刀は、折れたり曲がったりしたら、それ限りではないか」
太刀の利を説く者は、
「いや、われわれは戦場だけを武士の働き場所と考えていない。常住坐臥、武士は太刀をたましいとして持っているので、太刀を習練するのは、常に魂を研いでいることになるゆえ、戦場で多少の不利はあっても、太刀を本位として武芸は研くべきだと心得る。――その武道の奥義に達しさえすれば、太刀に依って得た練磨も、槍を把れば槍に通じ、鉄砲を持てば鉄砲に通じ――決して未熟な不覚はあるまいかと存じます。――一芸万法に通ずとか申しますれば」
これは、果てしない問題になりそうである。忠利は、どっちへも加担せずに聞いていたが、太刀に利があると、力説していた松下舞之允という若侍へ、