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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

吉川英治『宮本武蔵(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宮本武蔵、宮本武蔵。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 页

青空文庫

飾磨染

一

――しかし、思い止まった。

「それも、枝葉……」

と。そして、蹴上の辺りに、茫乎として佇んでいる間に、京の町々の屋根、加茂の水は、霧の底から薄っすらと暁けかけて来た。

飾磨染

一

武蔵、又八などが、岡崎を去って、立つ秋と共に、京都のほうへ移っていた頃、伊織は長岡佐渡に伴われて、海路を豊前へ向い、佐々木小次郎もまた、その便船で、小倉へ帰藩の途についていた。

お杉ばばは、昨年、その小次郎が江戸から小倉へおもむく際、途中まで行を共にして、家事整理と法会のため、一度、美作の郷里へ戻った。

沢庵も、江戸を去り、近頃は、但馬の郷里ではないかという噂。

かくて、その人々の足跡と所在とは、この秋、以上のようにほぼ分っていたが、今なお、杳として分らない者は、奈良井の大蔵の逃亡と前後して、消息を絶ってしまった城太郎。

朱実もどうしたか。

これまた、風の便りもない。

それと、さし当って、生命さえ案じられるのは、九度山へ引っ立てられて行った夢想権之助の身の上であるが、これは伊織の口から、長岡佐渡に洩らせば、佐渡の交渉ひとつで、何とか救いの道はつこうというもの。

もっとも、その前に「関東の諜者」