轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

吉川英治『宮本武蔵(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宮本武蔵、宮本武蔵。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 页

青空文庫

「お待ちうけでござります。どうぞそのまま」

「――御免」

武蔵は、箱段を上って、家人の導くままに歩いた。

ここの家造りは変っていた。階段から階段へ、上へばかり登って行くのである。赤城坂の崖へ依って、櫓組みに幾部屋も、積み上げられてあるのであろう。

「しばらく、御休息を」

一室へ通して侍たちは退がってゆく。武蔵はそこへ坐るとすぐこの部屋の高い位置に気づいた。庭の崖先から真下に、江戸城の北の濠が見え、城壁をつつむ丘陵の森と対して、昼間はさぞと、ここからの展望も偲ばれるのであった。

「…………」

音もなく、火燈口のふすまが開く。

美しい小間使が、楚々と、彼の前に、菓子、茶、煙草などのもてなしを供え、無言のまま退がって行った。

その艶な帯や裾が、壁から出て壁へ吸われてゆくようにかくれると、後には、ほのかな香いだけが漂って、ふと武蔵に、「女」なるものを、忘れていた胸から思い起させた。

しばらくすると、小姓を従れた主がそこへ現れた。新蔵の実父安房守氏勝である。武蔵のすがたを見ると、非常に馴々しく――いや自分の息子たちと同年輩なので、やはり子どものように見えるのであろうか、