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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

四

不思議にもこれを「おんだ」と読む。豆田を過ぎて筑後川に沿うて下り、夜明村から北へと折れれば大鶴村に達する。その行程は四里。そこからは車がきかない細道である。漸次谿に沿うて北へと登る。商いの店もない淋しい村々が続く。柳瀬、中崎、桐尾、本入などを過ぎて小鹿田に至る。その間二里半、そこを右に折れて道の至り得たところが峠である。乙舞峠という。年老いた一本の松が旅人には憩いの茶屋である。降りることわずかばかり、十軒ほどの家が谿間に固く寄り沿うて集まる。そこが目指す皿山である。それは人も知るあの英彦山の近くである。彦山村には更に三里、小石原には五里、往き来のほとんどない寒村である。

四

だがこの窯は北九州の古窯を知る者にとっては異常な興味をそそる。なぜならあの慶長頃から元禄にかけて旺盛を極めた朝鮮系の焼物が、今日ほとんど煙滅し去った時、ひとりこの窯ばかりは伝統を続けて今も煙を絶やさないからである。あの三島象嵌が略化されて、これが白絵櫛描きの法に転じたことは誰も知るところである。だが北九州であれほど盛であったその手法を今も活き活き続けているのはこの窯ばかりであろう。