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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

沖縄の思い出

尚昌侯は私の同級生でした。幾度かの機会に沖縄の品々を見ていたく心を打たれた私は、ついにその研究を志すに至り、侯爵にこの相談をしたことがあります。あらゆる便宜を計るからとの答です、私も旅の用意をあれこれとしていたのですが、思いがけなくもほどなく侯爵は他界されてしまったのです。それは大正十二年のことでした。このことは私の沖縄行を挫折させました。時折思い出しては、機会を失ったことを惜しく思いました。ただ様々にその島のことを胸に描くのみでありました。

ある人たちの話では、島の生活ももう変ってしまって、既に時期がおそく、別にこれとて見るべきものも残ってはいないだろうとのことでありました。しかしその頃よく渡って来た「びん型」などを見ると、ただただ驚きで不思議で、この島の持つ魅力はいや増すばかりでありました。

間もなく関東の震災が起ったり、居を京都に移したり、また外遊したりしている間に、早くも十年ほど過ぎてしまいました。しかしその頃日本民藝館の設立に志して、種々な材料を集めていたので、必然に沖縄のことが思い出され一度はどうしても行きたいと、その願いを強めるばかりでした。