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うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
八
それ故決していら立った仕事とはなりません。
道元禅師は、座禅が座禅するということをいつも述べられました。まさにそうあるべきで、誰かが座禅するとか、何かの目的のために座禅するとかでは、本当の座禅とは申されません。同じように仕事が仕事をし絵が絵を描くという境地に入らずば、本当の美しさは現れません。お婆さんの土瓶絵はお婆さんが描くには違いありませんが、しかしお婆さんと絵とは二つに別れてはおりません。それ故お婆さんが描くのでもなく、また何かを描くのでもなく、ただ描くのであります。描く者と描かれる物との対立が消え去っている所に、あの絵の妙味が現れてくるのであります。それを禅の表詮をかりて「只麼の絵」といいたく思います。
この土瓶絵の美しさはそういう二元からの解放に根ざしているのだといえましょう。今の個人陶工の作で、これに及ぶものを求めても、なかなか見つからぬのは、そういう自由さに達した作家が極めて稀なのを意味します。この安土瓶に高い真理を感じる作家が出たら、彼の仕事はその性質を変えるでありましょう。
八
そもそもこの山水土瓶の歴史を顧みますと、北は相馬、益子、中部は信楽、明石、南は野間の皿山にも及び、多くの需用があって各地で盛に描かれました。