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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

きっと『万葉』の時代は、文学と音楽と詩歌とがまだはっきり分れてはいなかったでしょう。それ故あれほど高い香りの韻律が現れたのだと思います。今の万葉風な歌人とは、歩き方がどんなに違っているでしょう。ところが沖縄ではその万葉時代が今も活きているのであります。

これにつけても沖縄の文学のことが思い出されます。方言で綴ってあるため、また古語が多いため、日本の学者たちにはたやすく読めないのであります。それが原因して今日まで日本文学史にほとんど載りませんが、私の見るところでは、近い将来、沖縄文学は日本の貴重な古典として、やかましくいわれるでありましょう。その美しさ悠大さにおいて『万葉』に匹敵するものが充分にあり、また文学の形式としては『古事記』より一時代前と思われるものがあります。実は『万葉』の研究といえども、沖縄文学を顧みずしては出来ないはずです。そこに含まれている難解な古語で、今も沖縄人が日常用いているものが、少くないでしょう。何しても沖縄はその文学において大した国であります。少くとも日本のどんな地方に旅したとて、それほど立派な固有な文学をしかも沢山持っている所は他にはありません。