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うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
妻が中風で長い間患いましたので、日夜心をこめて看護致しました。室の掃除はもとより、食事の仕度、洗濯もの、下のことまで皆よく世話致しました。もとより貧乏とて手伝いを傭う身分ではありません。村の人たちが気の毒がって、「さぞお疲れのことでしょう」と慰めました。すると吉兵衛は「いや、私には疲れというものがないのです。なぜなら毎日々々の仕事が、いつも仕始めで仕納めなので、仕直しということがないのです」と申しました。誠に妙好人の日々の暮し方の面目が端的に言い現わされていると思います。彼の言葉を当てはめますと、土瓶の絵は一つ一つが描き始めの描き納めで、ただの描き直しではないのであります。それ故何枚描いたとて、活々した絵となってくるのであります。
古歌に「ほととぎす、聞くたび毎に初音かな」というのがあります。よい歌だと思います。いつ聞いても幾度聞いても始めて聞く想いがあるのが本当に聞いている時だと思います。道元禅師は「而して後」という言葉を好まれなかったと申しますが、深い意味が漂うと思われます。「今まで」とか「これから」とかに仕事の運命があるのではなく、「この今」