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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

他の国にも色々の石があるが、大谷地方だけに、この様式の石瓦が発達しまたその地方だけに止ったことを注意したい。適材があって始めて発達を遂げる工藝上の一般法則にここでも逢う。石の性質において仕事がしやすいこと、雨風や火に堪えること、土地のものであること等、石瓦として条件に適う。もっとも大谷石といっても、特に屋根に適する性質のものを中から選ぶのはいうまでもない。大谷石にも色々ある。

さて、このような特色ある石屋根がいつ頃から発達したものか。塚田さんに色々調査を希ったが、結局文献らしい文献に乏しく、せいぜい三百年位まで溯るに過ぎぬという。一番盛に作られたのは幕末から明治の始めにかけてかと思えるが、何しろそれ以前のことははっきりしない。現存するものでもそう古いものは見つからない。

しかしその道の人は誰も知っているように大谷には今日大谷石で出来た弘仁時代の仏像がある。今は国宝である。して見ると大谷石の存在は随分古くから知られていたのである。その地方ではかつては寺の屋根にこの大谷石が好んで用いられた。今でも宇都宮や真岡には多少残っている。それやこれやを合せて想像すると、この石屋根は最初寺院建築に用いられたと見るのが至当のようである。