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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

荒屋新町の漆器

しかしそれは働くための身なりである。何も必要から発した品々に過ぎない。誰がこれを定めたのか、いつの時代から始まったのか。何も詳ではないが、ともかくこんな念入の仕事仕度があるとは誰も考えなかったであろう。これは今もある日本の風俗のうちの特筆されていい一つに違いない。

こんなものが残ることは有り難いではないか。ひとえに洋風に走る現世である。こんな純日本の服装が、今も見られるとはむしろ不思議である。それにただ珍らしいというのではなく、美しさが伴っていることを特に記憶したい。こういうものこそ地方が有つ特権といえよう。都の身なりはこれに並べると味気がない。借りものが多く、偽りが多いからである。ただ好奇心からのみ、地方の風俗を楽むというのではなく、地から生れた固有の風俗は、日本の大切な持物なのだという意識と誇りとを有とうではないか。

荒屋新町の漆器

その道の人も余り多くは訪ねない。陸中から羽後にぬける鉄道に、荒屋新町と呼ぶ駅がある。しかしここの名はいつか大きくなるであろう。少くとも名が響いていい色々の要素がある。さて、この村から一と条に浄法寺へとぬける街道がある。